ゲームにおいて、プレイヤーは様々なストーリーやキャラクターに接することでゲームに没入し、相互作用していきます。このとき没入感を高める最も良い方法のひとつとして、音声のローカライズを挙げることができます。これは、国それぞれの文化的要素を考慮しつつ、キャラクター一人ひとりに対し声優をキャスティングすることで生き生きとした生命力を吹き込み、メインのコンテンツと調和させる作業です。こうしてリアルな感覚をプレイヤーに与え、ゲームに対するロイヤリティを高めることができれば、ゲームプレイにより多くの時間をかけることにつながり、更なる収益を期待できるようになります。

ゲームサウンドローカライズの成功事例

良い事例として、HoYoverse制作の「原神」があります。

Image Source: Genshin Impact Official Facebook

「原神」はオープンワールドアクションRPGゲームであり、アップデートのたびに各国の言語で収録されたPV(プロモーションビデオ)やキャラクターボイスもアップデートされます。これは良いマーケティングの例で、ボイスを収録した声優のファンをゲームに誘導するきっかけにもなり、ゲーム内の中心コンテンツやBM(ビジネスモデル)とのシナジーによって収益にも直結すると言えるでしょう。

このように、ゲーム音声のローカライズは収益の上昇を促すことができるため、その重要性はさらに高まっています。

続いては、サウンドローカライズのやり方や、作業にあたってどのようなノウハウを活用するのかなどについてご説明いたします。

ゲーム音声ローカライズの方法とノウハウ

1. プロジェクト分析と台本ローカライズ

プロジェクト企画の意図した方向性が不正確なまま収録を進めると、後になって様々な問題が出てくる可能性があります。宗教的な問題、アルコールや薬物に関するワード、残虐さのレベルまで、その国の文化的な感性を理解することが必要であり、文字で表記された言葉と口に出して話す際の言葉の違いを踏まえ、書き言葉を話し言葉に変えるプロセスも必要になります。収録時にその場で台本のセリフを修正するのは難しいので、事前に翻訳の品質が高い台本を用意することが大事です。

2. 文化的近似性を考慮した声優キャスティング

声優をキャスティングする前に、文化的近似性を考慮する必要があります。例えば、日本語で制作されたゲームを韓国語にローカライズするために音声吹き替えが必要な場合、標準語イントネーションを使うキャラクターと大阪弁を使うキャラクターがいるとしたら、標準語は韓国語の標準語、大阪弁(関西弁)は釜山方言に対応させることができます。これを反映するために、方言を使える声優を起用するという基準を立て、性格・年齢・性別などを加味すれば適切なキャスティングを行えるでしょう。

3. 音声収録とディレクション

 私たちは常に最高の収録環境を用意し、わかりやすいディレクションで声優の力量を引き出し、最高のアウトプットを出すことを目指しています。そのためにオリジナル版のキャラクター企画や音声を基にキャスティング段階から力を入れ、台本を自然な言い回しに整え、ゲームに最適化されたセリフを書き出します。また、「NARAKA: BLADEPOINT」のようにオーディション(ライブキャスティング)を行うことでその役に適した声優にオファーを入れ、キャラクターそれぞれの性格や背景、戦闘スタイルなどに合わせて音声のイメージを具体化し、キャラクターの魅力をさらに際立たせています。

Image Source: 창조공작소_creators.co.kr

*創造工作所提供

4. 音声テスト・チェック

音声は、実際のプレイ中にどのように聞こえるかテスト・評価する必要もあります。音量にブレはないか、音声のトーンや音質は適切に反映されているか、オリジナル版の音声が存在する場合はその編集基準とローカライズ版の編集基準が一致しているかなども考慮します。また、ゲーム全体の流れと脈絡に合致している演技をピックアップし、ベストな音声を提供しています。

最後に

ゲーム音声ローカライズは、プレイ経験を深めるための大事な戦略です。多言語サポートや現地の専門家と協力のうえ、それぞれの国の特色を活かした音楽・音声を利用することでプレイヤーとの繋がりを強化し、現地のゲーマーにより効果的にアピールすることができます。Latis Globalは、ローカライズした音声をテストし、フィードバックを積極的に受け入れることでプレイヤーに最適な経験を提供させていただきたいと思っています。ゲームサウンドのローカライズについてご質問などがありましたら、Latis Global(contact@latisglobal.com問)までお問い合わせください。