大体のゲームのアメリカや日本で開発されましたが、パブリッシャーたちはゲームを翻訳することで収益を極大化することができるという事実に気付いたからです。ユーザーが国に関係なくゲームを楽しむようになってから、ゲーム翻訳はどんどん進歩していきました。

誰にでもゲームを楽んでもらえるようにゲームローカライズ専門サービスを提供しているLatis Globalが、本日はゲーム翻訳の始まりや発展過程について説明させていただきます。

ゲーム翻訳の始まり

最初、アメリカの開発者たちは自国市場だけのためにゲームを開発しており、ピンボールマシンとテーブルフットボールのある場所で楽しめるアーケードゲームを開発しました。このゲームは大人気になり、すぐに個人用パソコンや家庭用コンソールの形でもリリースされました。日本企業は、早めにこのようなゲームの潜在力に気付き、1970年代末、素早くゲーム市場に飛び込みました。この時期のゲームは普通テキストがほとんどなく、ゲーム翻訳が必要ありませんでした。ゲームを輸出するという考えがほとんどなく、輸出するとしても、ほとんど英語版でリリースしていました。

商業的には日本の開発会社とパブリッシャーが一番最初にゲーム翻訳について考えたと言えますが、彼らがアメリカ市場を攻略して投資収益率(ROI)を高められる最適の場所と考えていたからです。彼らは巨大なアメリカ市場にすぐにリリースできるアーケードゲームに特化していました。

Pac-Man. Image credit: BANDAI-Namco.

多くの人は「パックマン(Pac-Man)」をゲームの原題として知っており、日本のゲームをアメリカに合わせてローカライズした名前だということを知りません。日本語の原題は「パックマン(Puck-Man)」で、表記が違いました。しかし、アメリカへのゲーム輸出に当たって、ゲーム開発会社のナムコ(Namco)は「Puck」という言葉が英語のスラングを連想させる恐れを考え、「Pac」に表記を変更しました。

また、パックマンに登場する幽霊キャラクターはそれぞれ名前を持ち、その名前を日本語版の原作とは異なります。日本とアメリカの文化的な違いを考慮し、元の名前のReddie, Pinky, Bluey, Slowlyの代わりにBlinky, Pinky, Inky, Clydeに変更してアメリカのユーザーにとって理解しやすく好感を持ちやすいようにしました。これがローカライズというものです。

(Newgrounds Artist – ToonPunch01)

-1980年代、ゲームローカライズ初期

1980年代には、ビデオゲーム翻訳の初期と言える時期です。しかし、ネイティブやゲーム専門の翻訳家を活用することの重要性に対する認識が足りませんでした。結果的にこの時期のゲーム翻訳のクオリティは酷いものでした。完全に間違った翻訳だらけで、その一部は現在も黒歴史として残っています。

パブリッシャーたちはゲームパッケージや文書を翻訳することで少ない投資でも海外市場で高い収益を得られることに気付き、これはゲーム業界のスタンダードとなりました。スーパーマリオブラザーズはドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・オランダ語で翻訳されたパッケージとゲームマニュアルを配布しましたが、ゲーム内言語は英語のみ対応いていました。

この際、EFIGS(英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語)という略語ができ、それからゲーム翻訳において最小限の言語グループとして使用されています。1983年にリリースされた代表的なアーケードゲーム「Dragon’s Lair」には、ビデオゲームとしては最初にキャラクターの音声が登場しました。この音声はゲーム開発者が自分で収録し、それから10年という時間が経ってからゲーム内オーディオのローカライズを考えるようになりました。

Dragon’s Lair (1983)

-1990年代、急増したゲームローカライズの需要

1990年代には多くのゲームが画面のテキストを翻訳し始め、ビデオゲーム翻訳やローカライズを専門とする部署や会社が設立されるようになりました。ゲームパッケージやゲームマニュアル翻訳だけでなく、ユーザーインターフェースとシネマティック映像の字幕がローカライズされました。 

これによって世界中のゲームユーザーが自分の言語でゲームを楽しめるようになり、これはゲーム産業においてとても重要なポイントになりました。ゲームローカライズのおかげで、さらに多くのユーザーが多くのゲームに触れることができるようになりました。90年代末までゲーム業界の売上は2倍増加し、その成長の半分以上がゲームローカライズで得た成果から来たものでした。

これは大きな進展でしたが、ゲームのオーディオは相変わらず足止めになっていました。それぞれの言語版に対する吹き替えには、ローカライズプロジェクトにおいて最も多くのコストがかかっており、それは今も変わりません。この作業は、確実に大ヒットすると予想されるタイトルだけに行われました。テキストやオーディオをすべてローカライズすることを「完全ローカライズ(full localization)」と言い、これはグローバルマーケティング戦略によって決められます。バルダーズ・ゲート(Bioware/Interplay, 1998)スペイン語に完全翻訳され、吹き替えをした最初のロールプレイングゲームの1つでした。大体のRPGと同じように、翻訳が必要なワードの数が何十万に至り、収録が必要なボイスオーバーファイルも数千単位だったので、その意味は大きいものでした。

출처: Wiki – Baldur’s Gate Original Saga with Tales of the Sword Coast Expansion Pack – PC

-2000年代、ゲームローカライズの確立

世界的に家庭用パソコン・コンソール・インターネットが普及されてから、プレイヤーの数は大きく増加しました。これは、適切なローカライズを行うことでさらに多くのビデオゲームが世界中に売れるということを意味しました。ビデオゲームの寿命は多少短いので、大きく成功してもゲームパブリッシャーにとって最も良い方法はすべての言語版を同時にリリースすることでした。

これがsim-shipの誕生であり、パブッリシャーが様々な言語でゲームを世界中に同時リリースすることです。ローカライズやゲーム産業全般に最も大きな変化をもたらしたのはオンラインゲーム、特にワールドオブウォークラフト(Blizzard、2004)のようなMMO(Massively Multiplayer Online games)の劇的な成功だったはずです。

Blizzard

-現在:ゲームローカライズのピーク期

ローカライズは、最後ではく最初の段階にならなければなりません。

Newzooの2022グローバルゲーム市場レポートによりますと、モバイルゲーム市場の規模は約922億ドルで、ゲーム市場全体のおよそ50%を占めています。コンソールゲーム市場の規模は518億ドル(28%)、PCゲーム市場の規模は382億ドル(21%)です。

NEWZOO

世界的にゲーマーの数が増加していくとともに、ゲーム専門翻訳会社によるローカライズの需要も増加しつつあります。

ゲームローカライズは、単純にテキストを他の言語に翻訳すること以上の技術です。ターゲット市場の地域的特徴、文化的規範や敏感性、言語のニューアンスやスラングに対する深い理解が必要です。ゲームの中の隠喩、慣用句、ジョーク、風刺などは地域によって翻訳しづらいことがありますので、ゲーム専門翻訳会社はこのような問題を把握し、足りない部分を補充しなければなりません。このように、翻訳会社には言語能力以外にもゲームの世界や文化を理解し、用語やジャンルに合わせてローカライズする方法を知る必要があります。

ゲームローカライズに関するご質問などがありましたら、いつでもお問い合わせください。ありがとうございます。

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