アメリカのロックバンド、スマッシュ・マウス(Smash Mouth)は、「All Star」という曲の歌詞で「再び新しい年が来て、止まることもない(The Years Start Coming And They Don’t Stop Coming)」と言っていました。ミレニアル世代が社会の生産力を支える中心となっている間、ビデオゲームのメインターゲットはZ世代へと変わっています。

Z世代は、幼い頃からビデオゲームをプレイしながら育った世代です。デジタル環境の中で生まれたZ世代は、様々な電子デバイスを使うことになれており、オンラインでのコミュニケーションを好み、環境保護にも深い興味を抱いています。

Z世代の後に生まれたアルファ世代も、今後のゲーム市場トレンドに大きな影響を与えています。アルファ世代10人のうち9人はビデオゲームをプレイした経験があり、ゲームはアルファ世代にとって人生の一部になっています。ニューズー(Newzoo)のレポートによると、過半数以上のZ世代やアルファ世代は、ゲームに関するコンテンツの消費にお金を払った経験を持っています。

(出典:Newzoo)

ゲームプレイを超えて、ゲームでコミュニケーションする世代

最近マーベルの映画やSFドラマを見ると、「マルチバース」という概念が頻繁に登場します。マルチバースは、我々が住む宇宙と次元以外にも別の世界が存在するという仮説を前提にしている理論です。

「メタバース」も、「現実とは異なる世界」という部分では「マルチバース」とある程度共通点を持つ概念を言えるでしょう。超越を意味する単語の「メタ(Meta)」、世界を意味する「ユニバース(Universe)」を合わせた新造語で、現代のネットワークやデジタル技術で構築されたヴァーチャルな作品、またはプラットフォームを示す言葉でもあります。

アメリカのメディア分析・マーケティング会社のレーザーフィッシュ(Razorfish)による最近研究結果から見ると、Z世代の52%はメタバースにある本人の分身である「アバター」を現実の自分より親しく感じると答えました。また、現実世界に存在するブランドがメタバースにも登場して、様々なデジタルアイテムやキャラクターの外形を変えられるようにするブランドストアを作ってほしいと答えた割合も33%に達していました。

[参考リンク]

https://www.businesswire.com/news/home/20220419005232/en/Razorfish-Study-Finds-52-of-Gen-Z-Gamers-Feel-More-Like-Themselves-in-the-Metaverse-than-in-Real-Life

Z世代をターゲットとした効果的なゲームマーケティング

1.ブランドの影響力を活用

2022年夏、ファッションブランド「バーバリー」は、ロブロックスの有名クリエーターのサムエル・ジョーダン(Samuel Jordan)と協業し、ゲームにバーバリーバッグをリリースしました。雲・水・葉などをイメージして製作されたロブロックスのバーバリーコレクションは、ロブロックスのマーケットプレイスで購入でき、値段は800ロボックス(Robux、ロブロックス内の通貨単位)、現実の通貨で換算すると約10ドルになります。

ロブロックスのグローバルパートナーシップ副社長のクリスティナ・ウットンは、「毎日5千万以上のユーザーが利用するプラットフォームでは、デジタルファッションでの自己表現とパーソナライズされたアバターはとても重要です」と言いました。

2.他人のゲームを視聴する世代

アルファ世代とZ世代は単純にゲームをプレイすることに限らず、ゲームに基づくコンテンツを見て楽しんでいます。会計法人デロイトで行ったデジタルメディアトレンド研究によると、過去1年間eスポーツを視聴した人のうち、アルファ世代世代は32%、Z世代は33%の割合でした。

アルファ世代がゲームコンテンツを視聴する理由はゲームプレイに関する新しいアイデアを得る目的が最も大きく、それ以外は他人のプレイを見習ったり、ベテランユーザーのゲームプレイを見たいというその他の目的がありました。Z世代はそれとは少し異なり、ベテランユーザーのゲームプレイを見たいという動機が最も強く、その次にゲームプレイに関する新しいアイデア獲得、そして他人のプレイを見習う目的でゲームコンテンツを視聴しています。

[参考リンク – デジタルメディアトレンド研究]

https://www2.deloitte.com/us/en/insights/industry/technology/digital-media-trends-consumption-habits-survey.html

(出典:burberry.com)
(出典:roblox.com)

3. 社会的絆作りのためのゲーム

Z世代青少年ゲーマーの70%は、ビデオゲームをプレイすることが他人との絆を作ることに役立つと言っています。コロナパンデミック時代に欠如している社会的連帯とコミュニケーション欲求を満たすために、10代のゲームに対する依存度はさらに深刻になりました。社会的距離の確保によって、友達に直接会って一緒に時間を過ごすことができないとき、彼らはゲーム世界に集まりました。一緒にゲームをしながら交わす感情は、同世代との絆をさらに深めました。Z世代ゲーマーの60%以上は、コロナ時代以前にもゲームをしながら社会的関係を作るのが本人にとって大事なことの1つだったと言いました。

メタバースで行われる人と人との交流は若い世代の遊び文化と融合し、社会的・情緒的にさらに高度の楽しさを与えてくれるので、これからもどんどん進化していくでしょう。

アルファ世代とZ世代のゲーマー

ニューズーのレポートを見ると、若い世代が前の世代よりゲームでより様々活動をしていることが分かります。これはアルファ世代とZ世代にとってゲームは、単なる遊びを超えて人的交流の場として位置付けられていることを意味します。

彼らはモバイル世代であるため、大体のゲームをモバイルで楽しんでいます。ゲームのための出費に関しても、若い世代は否定的ではなく、これはゲーム内購入を基にして成長するゲーム会社に様々な収益創出のチャンスを提供しています。パンデミック以後モバイルゲーム市場の成長は多少鈍化しているものの、若い世代が中心になるモバイルゲームの未来は暗いものではないように見えます。

Latis Globalは、グローバル市場展開を希望するゲーム開発会社およびパブリッシャーの皆様に、多言語ローカライズ、QA、CS/CMなどの専門サービスを提供しております。グローバルゲーム市場に関して気になることがありましたら、お気軽にご連絡ください。

TEL: +82 -70-8270-8500 | Email: contact@latisglobal.com