そのため、ゲーム産業で従事する人であれば、2024年ゲーム産業の動向に注意を払うことが非常に大事です。でしたら、肝心の新しいトレンドは何でしょうか?
本日は、前回に引き続き2024年グローバルゲーム市場の動向を調べていきます。
VRゲームの成長
多くのゲームが、VRモードでリリースされることが普通になってきています。VR市場が再び復活してきているという証でしょう。グローバルビッグテック企業は高いハードルだった値段を下げ、スペックは過去よりアップグレードしたVRデバイスを次々と公開しています。ByteDanceは2022年下半期にPICO 4を公開し、Metaは2023年の第4四半期にMR(複合現実)デバイスのQUEST 3や軽量のRay-Banスマートグラスをリリースしました。Appleは早くて2024年の第1四半期以内にビジョンプロ(Vision Pro)をリリースする予定で、Samsungもビジョンプロの対抗馬となる製品を24年上半期にリリースする予定ですので、24年にはVR市場の成長を期待しても良さそうです。
レトロゲームとリメイク
レトロゲームはここ数年流行っています。レトロゲームブームは、地道に成長しているコンソールゲーム市場に大きく影響されています。レトロゲームへの消費者の関心が高まり、ゲーム会社は昔ながらのゲームのIPを基にしたレトロゲームを次々とリリースしています。ゲーム会社がレトロゲームにどれほど興味を持っているかを示す一例があります。アタリ(Atari)は1980~90年にリリースされたコンソールゲームタイトル100個以上のIPを保有するグローバルゲーム会社ですが、アタリはこのIPを基にした新しいゲームを制作し、一部は最新コンソールで利用できるように変換する計画を持っていると明かしました。
レトロゲームを再リリースする場合、ゲーム会社はリマスター(Remaster)とリメイク(Remake)のうち一つを選択します。リマスターはグラフィックやサウンドなどの性能を最新レベルまで引き上げ、ゲームプレイやストーリーなど内容は変更しないことを意味します。一方、リメイクはストーリーなどゲームのコア要素は保ちつつ、全体的に従来のゲームを再構成することを意味します。前作の懐かしさは保ちながらも、現代的に再解釈することがポイントと言えます。
スクエアエニックス(Square Enix)は、<ファイナルファンタジーVII リメイク>でいい成績を出し、バンジー(Bungie)は<ヘイロー(Halo)>をリマスターしてリリースしました。カプコン(Capcom)は、<バイオハザード 4(Resident Evil 4)>をリメイクし、いい評価を受けました。
もう一つ言いたいのですが、ゲーム会社にはレトロゲームを単純に売上を創出するチャンスと考えてほしくありません。今頃のクラシックゲームユーザーはクラシック音楽や映画と同じく、古いゲームも長く愛され続けられることを分かっており、ゲーム会社はそのユーザーたちの期待値が決して低くないということを念頭に置くべきです。従来のIPを利用するとしても、ユーザーは更なる何かを期待します。18年ぶりにリメイクされた<バイオハザード 4(Resident Evil 4)>は、ユーザーの懐かしさを刺激しつつ斬新さもあるタイトルとして評価されます。このように、新鮮さを加えたレトロゲームが次々とリリースされ、さらに多くのレトロゲームがクラシックゲームユーザーを含めて多くのユーザーに懐かしさ以上の楽しさを与えられることを期待します。
ゲームBM:バトルパス
最後に挙げたいのは、収益モデル(BM)に関することです。ゲームの収益モデルは伝統的なパッケージ販売方法をはじめ、定額制(または購読制)システムが登場し、部分有料化またはF2P(Free to Play)と呼ばれるモデルに至ります。この3つの収益モデルはそれぞれ長所と短所があるため、前のものが次のものに置き換えられたとは言い切れません。ゲーム会社はそれぞれのゲームスタイルや主なユーザー層を考えて適した収益モデルを選択し、利用しています。
比較的高い収益を誇っていたF2Pモデルのおかげでゲーム業界は急速にその体を大きくすることができました。そしてF2Pモデルの中でもP2W(Pay to Win)は特に頭角を現していました。ユーザーは100%獲得できるデコアイテムも好みましたが、課金すればするほどプレイがさらに簡単かつ早くなり、競争で勝てる確率が上がる確率型アイテム購入に大きな興味を示しました。この確率型アイテムに集中する収益モデルはものすごい売上上昇を遂げましたが、きつい非難や批判は避けられませんでした。確率型アイテムに対する疲労度があまりにも高いという声が上がり、確率そのものに関する疑いも大きくなる一方でした。これによって、政府レベルの規制も設けられはじめたのです。
それで、最近多くのゲーム会社はF2Pは保ちつつ、確率型アイテムの代わりにバトルパス(Battle Pass)を導入しはじめました。バトルパスは、一定金額を支払って購入すると、ログイン日数やミッション達成などのプレイ進行度によってゲームアイテムや財貨を確定して獲得できるシステムです。ユーザーは、報酬が購入費用より大きいと実感できるバトルパスに大きな魅力を感じています。ゲーム会社としては確率型アイテムに疲れを感じるユーザーのほうが長時間ゲームを利用するので、短期的には確率型アイテムより売上が低いかもしれませんが、ユーザーが長時間ゲームを利用することで商品を追加で購入するようになるので、バトルパス収益に引き続き追加の収益を確保できるのです。P2Wモデルに集中した場合に発生する、ユーザーからのクレームがなくなり、ゲームの評価が上がることもまた大きな利益でしょう。
成功事例として、エピックゲームズ(Epic Games)は<フォートナイト(Fortnite)>シーズン3リリース当日、バトルパス収益だけでおよそ5,000ドル(70億円)を稼ぎました。バトルパスの値段は10ドルに過ぎなかったんです。ブリザード(Blizzard)も<オーバーウォッチ2>をF2Pゲームとして公開し、バトルパスを導入しました。前作のパッケージ販売方式を維持しなかったのです。最近リリースした<ディアブロ4>もバトルパスを適用し、合計3種類のパスを提供することで報酬に差をつけています。
韓国のゲーム会社も3NO(P2W、カプセル型、確率型アイテムを除く)ポリシーを提示したNEXONを筆頭に、バトルパス導入を試みています。KRAFTONは<PUBG: Battlegrounds>を無料に転換し、バトルパス販売を始めました。その結果、月200万人以上の新規ユーザーが流れ込み、同時接続数およそ67万人に達するほど大ヒットしました。
バトルパスが成功につながる唯一な道とは言えませんが、よりユーザーにやさしい課金モデルという観点から見ると、結果的にユーザーとゲーム会社両方が満足できる方法ではないでしょうか。ユーザーの満足度を高めながら、長期的にゲーム会社の売上にもポジティブな影響を与える、過去より進歩した形の収益モデルであるバトルパスはただ今最も人気のある収益モデルと言えます。
本日の内容はここまでになります。いかがでしたか?ゲーム産業は果てしない革新や創造力の驚くべき結合により、さらに豊かで興味深い形に進化しています。そしてゲームはただの暇つぶしではなく、現代社会の中でさらに重要な産業として位置付けられています。これからもゲームが特別な役割を果たしてくれることを楽しみにしています。